コーポレートカラー「海外企業の事例一覧」ティファニーブルーの由来など

以前の記事コーポレートカラーの決め方「色のイメージ」「業界別人気色」からでは、色が人に与えるイメージや業界によって使用頻度が高い色があることなどから、コーポレートカラーを決める時のポイントをお伝えしました。

今回は、その続きとして海外企業のコーポレートカラー事例をいくつかご紹介します。


コーポレートカラー/ブランドカラー「有名海外企業の事例&由来」一覧

コーポレートカラー事例① ティファニーブルー

ティファニーブルーの由来&色の意味

米ジュエリーブランド、ティファニー(Tiffany & Co.)のコーポレートカラーである柔らかいターコイズブルーは、「ティファニーブルー」と呼ばれ、今や世界中の女性たちにとっての憧れのシンボルカラーのような存在です。

この色は、“幸運をもたらす鳥”とされるコマドリの卵の色が由来で、1845年当時、ジュエリーの中で特にターコイズが人気であったことから採用されたと言われています。このヴィクトリア朝時代と呼ばれる時期、花嫁たちが参列者に、結婚式の記念品としてターコイズ性の鳩の形のブローチを贈っていたことから、この色の人気が高まりました。

ブルーは豪華さや高級感の象徴であり、「日常の贅沢」というティファニーの理念に相応しいコーポレートカラーと言えます。

青は青でも……

過去記事で述べたように、青はコーポレートカラーに使用される確率が高い色ですが、青は青でも彩度によって印象は変わります。明るい青(ライトブルー)は一般的に、静けさ、開放性、無邪気さを連想させますが、暗い青(ネイビー)はより成熟したプロフェッショナリズム、安全性、信頼性を呼び起こすとされています。

コーポレートカラー事例② フォートナム&メイソンのオーデニール

日本人観光客のお土産購入場所としても知られるイギリスの老舗百貨店、フォートナム&メイソン(Fortnum & Mason)。当社のコーポレートカラーは「オーデニール色」と呼ばれるブルーグリーンで、フランス語で「Eau de Nil」、すなわち「ナイル川の水」という意味があります。

東洋、特にインドの花や布地からインスピレーションを得たこの色は、18世紀のデザイナーによって再現され、徐々に進化し、最終的には当社のハウスカラーとなりました。1840年代の外装塗装色としての使用から、1950年代のクリスマスカタログやピカデリー店のランドマーク時計の背景色としての使用、そして今では紅茶缶や食器などの製品や手提げ袋に至るまで使用されています。

明るいブルー寄りのグリーンは穏やかさや心地よさを感じさせる色であり、3世紀以上経った今でも人々に愛される、タイムレスでシックな部分も持ち合わせていることが窺えます。

コーポレートカラー事例③ キャドバリーの紫

紫をコーポレートカラーにした理由

イギリスにおいてチョコレートの代名詞とも言えるキャドバリー(Cadbury)は、今年で創業200年という老舗菓子メーカーです。スーパーマーケットなどの菓子売り場では、その光沢ある紫色のパッケージが一際異彩を放っています。

ヴィクトリア朝時代から使われているこの紫は、ヴィクトリア女王のお気に入りの色だったという逸話から、創業者ジョンより事業を受け継いだ息子のリチャードとジョージ兄弟がパッケージに選んだカラーでした。

暖色がコーポレートカラーとして使用されることの多い食品業界では珍しい紫ですが、紫から人が抱くイメージには創造性も含まれています。新商品を次々と発売し続けるクリエイティブさや型破りなTVコマーシャルからは、創造性を大切にしている企業であることが分かり、消費者に期待を与える効果を発揮しています。

イースター・エッグや生乳をたっぷりと使用したデアリ・ミルク(Dairy Milk)、ほろほろと口の中で崩れるフレーク(flake)などは、現代では決して目新しいとは言えませんが、キャドバリーはそれらを100年近く前に開発しています。

さらに、ゴールドの社名やパッケージデザインの一部にある鮮やかな黄色は、紫が持つ高級感と相まって、手にした時に貴重なものを手に入れたような特別感を与えてくれます。

紫のその他イメージ

紫には高貴、神秘、エレガント、芸術性のイメージもあるため、百貨店や女性向けファッション、コスメ、音楽、教育関係のコーポレートカラーとして一般的には多く使用されているようです。

※キャドバリーは、現在は米食品大手モンデリーズ・インターナショナルグループの子会社となっています

コーポレートカラー事例④ ペンギンオレンジ

ペンギン・ブックス設立の由来

愛らしいペンギンのロゴが特徴的なペンギン・ブックス(Penguin Books)はイギリスの出版社です。1934年、友人アガサ・クリスティ(Agatha Christie)を訪ねてロンドンに向かう途中だった若き編集者、アレン・レーン(Allen Lane)が、駅の本屋に立ち寄った際、販売されている本はどれも質が悪く、値段が高す​​ぎることに気づいたことが当社設立のきっかけだったという話は有名です。

彼は、「必要とされているのは、誰もが手の届く価格の良質な本である」という思いで1年以内に当社を設立し、質の高い文学を民主化し、出版界を根本的に変えるペーパーバック革命を引き起こしました。

ペンギンオレンジが持つ効果

このロゴのペンギンはロンドン動物園でスケッチされたもので、それを囲む「ペンギンオレンジ」と呼ばれる鮮やかなオレンジとともに、温かさや親しみやすさ、懐かしさを感じさせます。

ペンギンオレンジは本の表紙にも広範囲に使用されており、売り場で他の本に紛れても、視覚的に印象的ですぐに認識してもらえるというブランドアイデンティティを作り出しています。

ペンギングリーンや白もコーポレートカラー

他社のペーパーバックに見られるような派手なイラストを避けた、3つの水平帯によるシンプルな外観デザインもペンギン・ブックスが人気を博した理由です。3つの水平帯の上部と下部は、タイトルが属するシリーズに応じて色分けされており、一般小説に使用されたロゴと同じペンギンオレンジに続き、ミステリー小説に用いられた「ペンギングリーン」も当社のコーポレートカラーの1つと言っていいでしょう。

そして、中部の白が上下部のカラーを引きたて、鮮やかなオレンジやグリーンのような大胆色にニュートラルな背景を提供し、エレガントなタッチを加えるという役割を果たしています。

各コーポレートカラーに込められたストーリー

ペンギンオレンジは、「ブランドの豊かな文学的伝統や革新、素晴らしい物語に命を吹き込む情熱」を、ペンギングリーンは、「ブランドの成長、世界との繋がり、持続可能性」を表しています。そこに、時代を超越した白が象徴する「シンプルさや普遍性、ストーリーテリングの永続的な魅力」が加わります。

これらのコーポレートカラーが、ペンギン・ブックスの価値観と文学の未来をかたち作るというビジョンに沿ったストーリーを生み出しているのです。

※ペンギン・ブックスは、現在は米出版社ランダムハウスとの合併により設立されたペンギン・ランダムハウス出版社の一部となっています

 

コーポレートカラーは企業のアイデンティティに欠かせない

長く愛される企業のコーポレートカラーをご紹介してきましたが、その多くは色彩商標登録されています。

コーポレートカラーは単なる色ではなく、CMYKの細かい割合や色の組み合わせにまで拘った企業の商品の一部のようなものだからです。

“この商品/サービスならこの企業”と消費者に思ってもらえるようなオリジナル価値を生み出すために、強力なストーリーテリングツールとも言えるコーポレートカラーを上手くマーケティングに組み込みましょう。

 

 

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出典:https://seekcolors.com/brand/penguin-books/#:~:text=Penguin's%20color%20palette%20is%20also,bringing%20great%20stories%20to%20life.

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