日本の米は世界一?外国の米との違い&海外の反応
以前の記事「日本の米は世界一?米の生産量などの世界ランキング2024【最新】」では、米の「生産量」「消費量」「輸出量」世界ランキングから見る日本の米事情についてまとめました。
その続編である今回の記事では、日本の米に対する海外の反応や海外市場に出回っている日本米などをご紹介します。
日本の米と外国の米の違いは?
日本の米の特徴・種類・品種
世界のお米は、主に「ジャポニカ米」「インディカ米」「ジャバニカ米」の3種類に分けられます。日本で栽培されているお米のほとんどはジャポニカ米で、主食用として作られている品種だけでも300品種あると言われています。コシヒカリ、あきたこまち、ササニシキなどがそれに当たります。
粒が細長くてパラパラとしたインディカ米と比べると、丸みがあり、熱を加えると粘りとツヤが出るのが特徴です。腹持ちが良く、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているなどのメリットもあります。
一方、熱帯ジャポニカ米とも呼ばれるジャバニカ米は、より大粒で粘り気が少なく、パエリアやリゾットに使用される傾向があります。インドネシアをはじめとする東南アジアや、スペイン、イタリアで栽培されています。
ジャポニカ米は日本だけでなく、アジアとヨーロッパの一部、米国、オーストラリアでも栽培されています。海外では日本産より安価な「カリフォルニア産コシヒカリ」や「イタリア産ゆめにしき」を購入しているという日本人の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本米(ジャポニカ米)の世界生産量&消費量
世界で生産されている米の大部分はインディカ米で、ジャポニカ米は世界生産量全体の2割程度です。主なジャポニカ米生産国の日本は世界の米生産量ランキングで10位、1位の中国でも7割がインディカ米でジャポニカ米は3割です。つまり、ジャポニカ米は世界全体で見ると珍しい米なのです。
また、農林水産省のデータによると、米は自国での消費が多く貿易(輸出)に仕向けられる割合は小さいので、ジャポニカ米生産国≒ジャポニカ米消費国と考えると、全項目で挙げたような限られた地域で消費されていることが窺えます。消費量においてもインディカ米には及びません。
しかし、例えば、中東、アフリカ、南米などで日本食レストランや寿司店が増えているように、近年の日本食ブームによって、かつて日本米があまり知られていなかった地域でも需要が拡大しています。
ただし、コスト重視の日本食レストランなどではカリフォルニアやイタリア、中国産のジャポニカ米を使用する傾向にあり、日本産のジャポニカ米は高品質のプレミアム米として高級寿司店や日本食材専門スーパーマーケットでの需要が主となっているようです。
日本の米への海外の反応 イギリスで食べられている品種は?
日本は米が美味しい国というイメージ?
日本の米はもちもち食感や甘みがあり、海外でもその優れた食感と品質から高く評価されています。特に寿司は世界的に人気があり、寿司に適した米として日本の米が認知されており、本場の味を再現したいという寿司シェフや一般消費者の欲求が日本米への関心を高めています。
さらに、寿司に限らない日本食ブームや漫画・アニメ、工芸品などの日本文化に興味を持つ消費者が増え、その一つである日本米にも自然と関心が向けられています。
インディカ米などを含む世界全体の米輸出量ランキングではランクの低い日本ですが、日本の米の輸出量は近年増加傾向にあり、2024年1月から7月までの輸出量は前年同期比23%増の24,469トンで、過去最高を記録しています。これは日本米人気の裏付けと言えるでしょう。
しかし、日本の米は非日本産のジャポニカ米と比べるとコストが高く、中国をはじめとする一部の国では高級食材や贅沢品というポジションで日常的に購入するには手が届きにくいと感じる消費者もいるようです。
逆にブランド米への関心がある富裕層からは、「新潟県産コシヒカリ」や「あきたこまち」など、日本のブランド米は特に評価が高く、高級米として知名度が上がっています。高級寿司店や高級日本料理店のようなプレミアム市場では、品質重視のため日本産への需要が高いです。
地域別に見ると、ヨーロッパでは健康志向や日本文化への関心から日本米の人気が高まりつつあり、アメリカでは高品質な寿司米として支持される一方、安価なカリフォルニア産米との競争が激しく、東南アジアでは富裕層や日本食レストランを中心に需要が増加しているのが現状です。
イギリスで販売されている品種
イギリスでは、「錦」や「ゆめにしき」などの人気ブランド米から「コシヒカリ」や「茨(うばら)米」などの高級地域産米まで、日本産米の入手が可能です。そのような日本産米は日本食材専門店やアジア食材専門店、日本食材輸入卸会社のオンラインショップ、Amazon、現地オンラインスーパーマーケット(Ocado)などで扱われています。
一方、現地の大手スーパーマーケットWaitroseやSainsbury’sなどでは、「カリフォルニア産錦」やタザキフーズによるブランドYutakaの「イタリア産寿司ライス」「タイ産ササニシキ」のように非日本産のみを扱っている場合がほとんどです。米コーナーでは、ジャポニカ米よりもインディカ米の一種であるバスマティライスが棚を占領しています。非日本人が顧客の大半である一般的な現地スーパーマーケットでは、手頃な価格で日本米に近い品質ならば産地は問題ないという消費者が多いということでしょう。
日本の米は高い?現地生産の日本品種が競合に
日本米の輸出が拡大している一方で、海外における日本産米消費量を増やすためには、価格の高さや輸送コスト面での課題があります。日本米に近い品質を持つカリフォルニア米やオーストラリア産ジャポニカ米の需要も増加しているように、一部の国では現地生産の日本品種が競合となる場合があるからです。
日本の米文化や品質への海外からの信頼は高いので、高付加価値化をしたりプレミアム市場に絞るなど、コスト面以外の魅力をアピールする戦略が欠かせません。
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出典:
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