チェルシーフラワーショーで日本人が受賞!?園芸用品で海外進出するには
イギリス/ロンドン チェルシーフラワーショーとは
チェルシーフラワーショーは毎年5月に開催されており、今年2025年は5月20-24日の予定です。主催はRHS(英国王立園芸協会)で、世界中のガーデナーや花愛好家が一同に会するだけでなく、英国のロイヤルファミリーも参加することで知られています。
実はチェルシーフラワーショーという名前は通称で、正式名称はグレート・スプリング・ショー(the Great Spring Show)というのをご存じでしょうか。
最初のグレート・スプリング・ショーは150年以上前に当たる1862年に、ケンジントンのRHSガーデンで開催されました。その後、1913年に現在と同じチェルシー王立病院に会場が移され、現在では入場チケットを手に入れるのが困難な人気のイベントとなっています。
会場には斬新なデザインの庭園や花壇、新種の植物が展示されるほか、ガーデニング用品などの展示ブースもあります。その中でも最も注目されるのは、有名な園芸家によってデザインされた前衛的なショー・ガーデンです。
チェルシーフラワーショーでは日本人も金賞を獲得!?
チェルシー フラワー ショーでは毎年、日本人の活躍も注目されています。
庭園デザイナーの石原和幸氏は過去に何度も金賞を獲得しており、2011年にはエリザベス女王から「あなたは緑の魔法使い(Green Switch)ね」とコメントされてる様子がBBCで放映されました。
石原氏の作品はいずれも自身が育った長崎の里山の風景を原点としています。
ハイドパークやケンジントンガーデンのような広大な敷地の公園が、ロンドンの中心地にあることからも分かるように、イギリス人は世界屈指のガーデニング好きです。そのような土地でで日本の里山の風景が評価されているのは、日本人とし誇りに思っても良いのではないでしょうか。
海外でも人気の日本の園芸
盆栽「BONSAI」
盆栽は海外でも人気が高く、「BONSAI」という言葉も根付いています。
財務省の貿易統計によると、2023年の盆栽の輸出額は9億1700万円に上り、19年比で約2倍となりました。富裕層の趣味としての需要が高い中国がもっとも多く、次にイタリア、オランダとヨーロッパの国々が続いています。以前は害虫の持ち込みを懸念していたEUですが、2023年からはクロマツの輸出が本格的に始まったため、ヨーロッパへの盆栽の輸出が加速したようです。
国ごとに人気の盆栽の種類が異なり、中国ではサツキツツジが、ヨーロッパではマツ属が人気だそうです。
生け花「IKEBANA」
海外でも、どちらかというと男性の愛好家の多い盆栽に対して、生け花はどちらかというと女性からの人気が高いようです。
英語や中国語の生け花教本が既に多数出版されており、規模の大きな流派は海外にも支部を構えているなど、「IKEBANA」という言葉も海外では根付き始めています。
海外で主流のフラワーアレンジメントとは異なり、生け花は引き算や余白の美を重視するため、日本人独特の感性が必要かと思いきや、実はそうでもないようです。海外の生け花愛好家の多くは、生け花の見た目だけでなく、日本独特の思想や哲学から学びたいと考えていて、免許取得を目指す人もいるそうです。
このようなディープな愛好家だけでなく、生け花のデザインが海外のインテリアとも馴染んでお洒落だと考えている人もいて、今後も生け花人気は海外で裾野を広げていきそうです。
園芸用品やインテリア用品で海外進出するなら
海外のガーデニング好きの間では、日本の地下足袋や園芸鋏などが既に人気を集めています。もっとライトに盆栽や生け花を楽しみたいという人からは、苔玉キット、盆栽キット、生け花キットのような、キット商品も人気を集めそうです。
一見、園芸用品とは関係のなさそうな和紙も、西洋風のフラワーアレンジメントと組み合わせたいという需要があるようです。
また、リバティーの布やウィリアム・モリスの壁紙などに見られる柄のように、イギリス人は草木をモチーフにしたデザインを好みます。日本の着物の模様にも通じるデザインであるため、海外のインテリアに馴染むようにリデザインした和風のインテリア用品も、イギリスで需要がありそうです。
このようにローカライズした日本の園芸用品やインテリア用品で、海外進出を目指してみてはいかがでしょうか。